石楠花登山教室「山へ行こう」


1.山の装備 2.食料と衣類 3. 山での行動 4.危機管理とチームワーク





3. 山での行動


さて、これまでは、山の持ち物とその役割について書いてきましたが、今回からは、安全確保についてご紹介します。

山での安全その① 行動パターン

一日の行動時間に従って、それぞれの行動についての留意点を箇条書きにします。

1.起床

山の天気は、時間が遅くなるほど不安定になります。また、薄暗くなった山はたとえ歩き慣れたところであっても日中とは違った景色に見えるため迷いやすく、不安や焦り、疲れによって、きちんとした状況判断も難しくなります。早出して、午後3時頃、遅くとも4時頃までに行動を終える事ができるよう、行動時間(+α)から逆算して起床時間、出発時間を決めることが大事です。

2.行動と休憩 : 行動前には、各自軽くストレッチをするとよいでしょう。

定期的な休憩(コースによって30分から1時間に一回くらい)のほかにも、必要であれば、休憩を求めましょう。立ったままの短い休憩も有効です。休憩の際には、必ず水分補給(がぶ飲みはよくない)、また必要に応じて糖分補給をこまめに行うと疲れにくくなります。 休憩時間は、昼食など特に長い休憩の時以外は、体の冷えないうちに行動を再開すると、比較的楽に体を活動モードに戻す事ができます。

ここで、特に注意したいこと:

①行動中、各自が自分の体の状態に気を配り、自分にとって必要というときには、ためらわず休憩をとることや、体調不良を訴えること。リーダーはもちろん、お互いに仲間の体調や様子に注意を払う必要はあるが、自分の体の具合は自分が言わなければ伝わらないもの。周りが気が付いたときには手遅れ ということになりかねません。但し、リーダーは、メンバーが訴える事ができる雰囲気を作るよう、努めなければならないと思います。

②さらに注意したいのは、自分でも気づかないうちに仲間に無理をさせていないかということです。「車間距離」の無視つまり、前の人との間隔を詰めすぎることは、上り、下り斜面で滑ったときに巻き添えにしたり、されたり、飛び散った石や砂でけがをしたりさせたりするばかりではないかもしれません。前を歩く人にとってそれが、「追い上げ」であるかも知れません。焦り、圧迫感を感じ、知らず知らずに無理をしている人がいるかも知れません。

③熱中症について

夏は特に注意。誰にでも起こりうることです。

処置:

Aの場合

 ・風通しのよいところに水平(または足を高め)に寝かせる

 ・場合によっては保温する

 ・欲しがれば、スポーツドリンクをあたえる。

Bの場合

 ・涼しいところに水平(または頭を高め)に寝かせる。

 ・意識のない時は気道確保

 ・意識があり、嘔吐、けいれんがなければ、スポーツドリンクを飲ませる。

 ・体を冷やす。(首、脇の下、太股の付け根などがよい)

*事故防止には、白い帽子、十分な水分補給と休憩、自己管理と仲間への気配り!!!

3.行動停止~就寝

山行によっては行動停止リミットを設け、適地サイトをする。あらかじめ平地、水場等の情報を得たり、エスケープルートを考えたりしておくことで、慌てず、無理な行動を避けることができると思います。

山で一泊以上し、次の日も行動するなら、もちろん早く寝る。人にもよりますが朝3時、4時に起きる事を考えれば、遅くとも8時頃に寝なければ、つらいのでは?

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