石楠花登山教室「山へ行こう.2」


1.コンパスの使い方 2.救急法 3.山の天気 4.山行計画の立て方





4.山行計画の立て方



山行計画作成の目的


山行計画を作成し提出することで、山へ行く機会を共有する。

全員がルートを理解することで何も知らずに付いていくだけといった人を無くし、食料・装備なんでもよいから仕事を分担して、より多くの人と力を合わせた形で山行を作る。

遭難時には救助活動の資料となる。また、これがないと山岳保険がおりない場合もある。

報告書を作ることで、皆が山行中に感じたことや反省点をくみとり次回につなげるステップとなる。


登山計画の流れ


1.計画発案・提案

 ・  集会時に提案する。または編集会までに企画局長へ申し出る。

 ・  おおまかな山域を決める。

2.コースを設定する

 ・  アプローチ(交通手段)も含めコースを決める。

 ・  ガイドブックのモデルコースを参考に登山地図でコースを確認し、難易度や行動時間を考慮し無理がないよう設定する。

 ・  サブルートやエスケープルートも考慮するとよい。

3.例会案内の提出・参加者の募集

 ・  案内を編集委員に提出する。

 ・  未定の場合はサブリーダーの選定や下記の役割を参加者の中から選ぶ。

4.食料計画を立てる

 ・  コース設定にあわせて食料計画を立てる。

 ・  行動食と非常食の用意。

 ・  石楠花登山教室第2章を参照。

5.装備確認

 ・  その山行に必要な装備を確認する。季節によるウェアの違い、積雪・雪渓の有無、テントの場合の分担を調整する。

 ・  共同・個人装備の区分け。

 ・  装備一覧表・チェックリストの作成。

 ・  石楠花登山教室第1章を参照。

6.登山計画書の作成・提出

  (特例等、必要に応じ) 

 ・  上記の食料・装備計画を参加者全員で決定したもの。

 ・  計画書を参加者に配布する。

 ・  必要な場合は登山口で投函する「登山届」も作成する。

7.山行の実施

 ・  出発前に忘れ物がないかを点検。

 ・  登山届の提出。

8.下山報告(特例の場合)

・  会長等の、在宅で緊急連絡先を引き受けている人に対し報告する。

9.山行報告書の作成・提出

 ・  山行報告書を編集委員に提出する。

 ・  作成にあたってはなるべく参加者全員の感想を載せる。


サブルート:どちらかというとオプションに近いもの、もし時間があれば行ってみたいというコース

エスケープルート…荒天・事故その他何らかの理由で計画の遂行が困難になった場合の山

からの脱出ルート。


登山における役割分担


○チーフリーダー(CL)

  山行全体の責任者

○サブリーダー(SL)

  チーフリーダーの補助、コースの把握など。

○装備担当

共同・個人装備の責任者。登山形態・日程・人数等を考慮して最適な装備を考える。行動中は装備全体の管理について責任を負う。道具について正しい知識が要求される。

○食料担当

食料に関する責任者。登山形態・日程・人数等を考慮して適切なメニューを考える。

○会計担当

計画が決まったら交通費・食料費等を計算して予算を立て管理をする。また行動中の費用を記録する。

○記録担当

出発から終了までの記録を取る。行動中の所要時間・ルートや行動の状況などを記録する。


以上のような役割を少人数なら兼任し、できるだけ全員が参加・協力できるようにする。


例会案内の書式について




登山計画書 (特例等で案内とは別に参加者と計画を共有し理解を深めるために作成)

登山計画書を作成する場合は下記の内容で作成し、参加者全員に配布する。

1、日程、集合場所

2、山域と山行形態(テント・山小屋等の別)

3、費用(交通費・食費・装備燃料費・宿泊費・観光費等)

4、雨天・荒天の場合の対応

5、現地までの移動方法・交通機関・所要時間等

6、登山ルート・所要時間等の案内

7、緊急連絡先と宿泊場所の連絡先

8、参加者の役割分担

9、参加者への団体装備の割り当て

10、食料計画・献立の明示

11、装備(個人用・団体用)と食材の一覧(チェックリストを兼ねる)



登山計画書の書式例


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